映画【なくもんか】＠阿部サダヲ

解説：幼いころに生き別れ、互いの顔も知らずに育った兄弟と、二人を取り巻く周囲の人々が織り成す人情コメディー。『舞妓 Haaaan!!!』の水田伸生監督、主演の阿部サダヲ、脚本の宮藤官九郎のトリオが再び顔を合わせ、不幸な生い立ちの兄弟の再会劇を、笑いと涙を交えて描く。お人好しの兄を阿部が演じるほか、人気お笑い芸人の弟を瑛太が、兄の幼なじみに竹内結子がふんする。家族のきずなをテーマにした、ハートフルな物語が感動的。
あらすじ：無茶苦茶な父に捨てられ、幼少期に生き別れた兄・祐太（阿部サダヲ）と弟・祐介（瑛太）は、互いの顔も名前も知らずに成長する。祐太は、東京下町の商店街でハムカツが名物の店を切り盛りし、祐介はお笑い芸人として超売れっ子になっていた。そんなある日、祐太の元に、初代店主の一人娘・徹子（竹内結子）が突然帰って来る（シネマトゥデイ）

http://nakumonka.jp/index.html

監督：水田伸生
脚本：宮藤官九郎
出演：阿部サダヲ，瑛太，竹内結子，塚本高史，皆川猿時，片桐はいり
　　　鈴木砂羽，カンニング竹山，高橋ジョージ，陣内孝則

これ、観るかどうかちょっと迷ってたんだよね。。。
クドカンもサダヲも大好きだけど、、『舞妓Haaaan!!!』が自分的にビミョーだったんで、同じスタッフってことで不安もあったし、ネットのレヴューも賛否両論な感じだし。。
映画好きな友人が「サダヲじゃなかったらハズレ映画認定」とまで言ってたのもダメージだった。

しかぁーし、杞憂でした！！！！
この映画、大好きデス!!!　ストライクでした。ツボでした〜(≧д≦)ﾉ
序盤、笑いの部分が若干滑り気味だったけど（笑）前半からボロ泣き（サダヲに激しく感情移入）して、泣きのスイッチが入ったのと同じくして笑いのツボもやってきました〜(^_^)V
全体を通してみれば、おいらは泣きの比率が高く、すき焼きのシーンではもう号泣。ブラックでありつつグっとくることを祐太（サダヲ）が言うんだもん(ノд<。)゜。
設定がどこまでも悲劇だからね。。悲劇過ぎて笑えるんだな。
竹内結子のドＳな感じも良かったし、彼女の子供役の子役も上手かったぁ。塚本君、上手い！　瑛太のアッサリした演技は濃すぎる世界を薄めててイイかも。
ちょっと後半はテンポが悪いけど、こういう形のラストは好きだなぁ。。
このエンディングは落語でいう“サゲ”ですよ（笑）

《※以下、ネタバレ注意》

サゲが分からない人にはポカーンかもしれないけど、、祐太（サダヲ）の「好きでやってますから〜」は、万感胸に迫っててサイコーでした ・゜・(ノД`)・゜・。
八方美人だろうと、、一生をかけてイイ人をやり続けていれは本物になるんだよ。。ようやく本物の家族も手に入ってホントに良かったねぇぇ。。＜祐太ぁぁ（Ｔ▽Ｔ）（滂沱）

テイストとしては、クドカン作品の中では『タイガー＆ドラゴン』に一番にてるかもしれない。。
とことん不幸な設定の中から生まれる笑いってところが。。
『タイドラ』の虎ちゃんは12歳の時に両親が心中して、その生き残り。孤独の果てにヤクザになり、笑うことを忘れてしまった人間が初めて心から笑えた“落語”の世界に飛び込む。

『なくもんか』は無茶苦茶な父に捨てられ、それぞれ他人の中で育った兄弟。
兄の祐太は、その引け目を笑顔のお人好しキャラ（頼まれると断れない良い人を演じ続ける）で乗り切り、弟は笑いをとることで乗り切って、その流れで芸人に。。
しかし、内面に傷を抱えている。。ふたりとも屈折してるんだよねぇ。
虎ちゃんは一番ひどい目にあってるのに、なんて心根が純真でカワイイんだろ(〃∀〃)（笑）

おっと、『タイドラ』の話になってるぢゃん（笑）
だって『タイドラ』が大好きすぎるし、あれは神で、別格だから！！
でも『なくもんか』は『なくもんか』で面白いんですよ〜〜(^▽^)／
人間って、人生ってこんなもんでしょ？　っていうシニカルな考察が面白い。。
それでいて人間大好きー♪　って感じもにじみ出てるしね。

誰にでも裏の顔はある。。もちろんおいらにも(*´艸｀)