【修道士カドフェル】＠エリス・ピーターズ

先日書いた「イギリス鉄道の旅」のネタでシュルーズベリが出たのに便乗して、『修道士カドフェル』を紹介してしまおう。

カドフェルシリーズは装丁も美麗な文庫新装版（光文社文庫）が全21巻出ているので、手軽に読めて嬉しい。タイトルから受けるイメージとは違い、ミステリー小説です。そして時代は中世。

修道士が主人公なので、宗教的なことも沢山出てくるのですが、不信心な私でも、まったく問題なし！
カドフェルはおっさんだしハンサムでもない(笑)。でも、人間としてすご〜く魅力的で深みのあるキャラクターなんですよ。
修道士としては異端で、元十字軍の兵士！　壮年になってから修道士になったので、世の中や人生の機微をよく知っているのです。医術に長けていて薬草の知識も豊富で、その方面からも事件を分析していくのです。
ミステリーとしても巧みだし、人間ドラマも素晴らしいの。

他の登場人物もキャラが立ってます。

修道院の面々も個性的だし、特に執政長官のヒュー・ベリンガー様がクールで素敵！！　最後の方に出て来るオリヴィエも素敵なんですよ〜。このオリヴィエがクライマックスの鍵を握ります。
読みやすくて登場人物への感情移入もしやすいからハマりますよー。
この本を読んでると「ゆかりの地」巡りをしたくなっちゃう。

最後に、21巻のタイトルが素敵なので載せておきます。

１. 聖女の遺骨求む
２. 死体が多すぎる
３. 修道士の頭巾
４. 聖ペテロ祭の殺人
５. 死への婚礼
６. 氷のなかの処女
７. 聖域の雀
８. 悪魔の見習い修道士
９. 死者の身代金
10. 憎しみの巡礼
11. 秘跡
12. 門前通りのカラス
13. 代価はバラ一輪
14. アイトン・フォレストの隠者
15. ハルイン修道士の告白
16. 異端の徒弟
17. 陶工の畑
18. デーン人の夏
19. 聖なる泥棒
20. 背教者カドフェル
21. 修道士カドフェルの出現